注意機能を鍛えると良いことはあるの?
「注意機能」って何だか小難しいことばだねぇ
これって、どんな働きをするの?
そしたらねー
例えば、ぐりは飲みすぎた時にどうなっているっけ?笑
んー(-_-;)いい感じに酔っている時は気持ちがリラックスして楽しくなるかな
でも、その後は段々頭がふわふわして相手の言っている事を集中して聞けなくなるかな
で、自分も思考がまとまらなくて不用意な発言をして後悔することもある
あとは、帰り際に忘れ物をしたり、改札通る時にうまく定期を出せずに焦るかな
その時の場面での普段とは異なる言動の中に「注意機能」の低下の影響が色濃く出ているんだよ
えっ?!そうなの??
酔うと人は注意機能が働かなくなって失敗するってこと?
まあ適量ならいいんだろうけど飲みすぎると、ね笑
酔うと、大脳皮質が一時的に麻痺して大脳辺縁系が活発化するみたいだよ
それ以外の場面でも、普段頭(脳)を使っていくと「疲れたなー」と思って
作業がはかどらなくなるでしょ? 脳が疲労しているってことなんだけど、その時も同じだよ
なるほどなー!
注意機能ってとても重要な役割を果たしているんだね
この様に、「注意機能」のスイッチの電源がうまく機能しているかどうかは、情報入力と出力に大きく影響を与えているようです。
今回は、その「注意機能」についてもう少し掘り下げて見ていきながら、タイトルにありました「注意機能を鍛えることで良いことはあるの?」についても考えていきたいと思います。
【目次】
注意とは
誰でも注意attentionとはなにかを知っている。それは心mindが、そこにあるらしいいくつもの対象や考えの中からひとつを選んで占有することだ。焦点を合わせることfocalization、すなわち意識を集中させることconcentration of consciousnessがそのエッセンスである。それは、或るものとの関わりから身を引いて、他のものとの関りを効果的に進めることを意味する。
引用元:Manly,2003,P24
注意を”スポットライト”と置き換える方もいます
私達には”精神のスポットライト”を持っていて、その焦点が時々によってなにがしかの部分に向けて合わせているのです
注意の能力の種類
<注意の種類>
● 持続性注意(続ける力)
ある対象に一定以上の注意を向け続ける力です
● 選択性注意(見つける力)
多くの情報の中から必要な情報だけを見つけ出す力です
● 転導性注意(別のことに注意を切り換える力)
ある対象に向いている注意をスムーズに別の対象に向ける力です
● 注意の分配(複数のことに同時に注意を向ける力)
複数の対象に同時に注意を向ける力です
引用元:いわてリハビリテーションセンター高次脳機能障がい者支援普及事業.しずくいしの風
● 持続性注意(続ける力)
これは、書き物をしたり映画を観たりと、活動に集中し続けること力です
● 選択性注意(見つける力)
これは、情報の多い状況(複数人での話し合い・人混み)の中から、その中で必要な情報を見つけてうまく言動をおこす力です
● 転導性注意(別のことに注意を切り換える力)
これは、作業活動中に急な切り替えがあった時にうまくそれに対処する力です
図ではおしゃべりでの話題についていく事、仕事中に上司の急な頼み事に応対している様子です
● 注意の分配(複数のことに同時に注意を向ける力)
これは、同時並行的に作業を複数こなすことができる力です
注意のメカニズム
脳の機能のメカニズムにつきましては、合わせて過去の記事の「脳って一体どういうものなんだろう」や「認知症の脳について」を読んでいただけるとより分かりやすいかと思います。
私達が日常生活で言動を発する時には、周囲の情報を目や耳などで収集します。その後、バラバラだった情報が一つにまとめられます。
その情報を基に、前頭前野が「どうするか?」と判断し、そして下位に指令を出して行動が開始されます。
注意機能とは、”前頭前野”がその機能を司っています。
前頭前野は、以前の記事でもたびたび登場しております。
脳トレにおいては、この領域に血流が上がることで脳が活性化されある一定の効果があると過去の資料から報告されております。
つまり、脳トレを行うことで、注意機能も向上させることができる可能性があると考えられます。
では、次は高齢者にとって「注意機能」が低下することで起こりうる可能性についてみていきたいと思います
注意機能が低下するとどんなことが起こる
加齢による影響で、脳の全体的な萎縮は個人差はありますが起こるものです。
注意機能は4種類ありますが、その中でどの能力が特に低下しやすいのか見ていきたいと思います。
●Hartley(1992)らは,DTを用いて青年と高齢者で分配性注意の比較を行い,一貫して高齢者の成績が劣っていることを報告している
引用元: 虚弱高齢者における注意機能と身体機能との関連の検討-地域在住高齢者を対象に-
●加齢によって注意機能は選択性,分配性ともに次第に低下していくと考える方が妥当である。
高齢になると、注意機能の「選択性」と「分配性」が低下しやすいようです。
では、それらが低下しやすいと何が起こりやすいのか?
まず「分配性」についてですが、これは”同時並行的に作業を複数こなすことができる力”です。
つまり、「〇〇しながら△△を並行作業でできる」という”ながら作業”ができるということなのです。
具体例としては、
●歩きながら、会話をする
●電話をしながら、メモを取る
●洗濯しながら、他の家事もやる
●お料理で、火加減を見ながら、他の料理を作る
等のようなことが難しくなります。
1つ1つの作業はできても、同時並行的に作業をこなすことは難しいことなのですね。
次は、「選択性」についてですが、これは”情報の多い状況の中から、その中で必要な情報を見つけてうまく言動をおこす力”です。
●高齢者の転倒は、歩行中のわずかな段差や小石につまづいた、電気コードや布団に引っかかった、濡れた床や道路で滑ったなどの原因で転倒することが多いとされているが、今回の結果からも、多くの刺激の中から一部の刺激に焦点を当てる機能、すなわち、注意の選択機能の低下が転倒を引き起こす重大な要因であることが明らかにされた。
引用元:在宅障害高齢者の注意と転倒との関連.村田伸・津田彰他
高齢者の場合には、選択性の低下が転倒の一因になっているようです。
注意機能の特に「分配性」と「選択性」が低下することで、上記の様な状態が起こりやすくなります
では、次はそれらの機能をなるべく維持したり向上させるためにはどうしたら良いか?についてみていきたいと思います
注意機能を鍛えるためには?
●注意機能も同じく前頭葉の機能であることが報告されており、”読み書き計算”と同様に注意トレーニングを繰り返し行うことで、今回の注意運動群においても前頭葉の可逆的変化によって注意機能向上に至った可能性がある。
引用元:注意機能トレーニングによる転倒予防効果の検証.山田実
●在宅障害高齢者の転倒予防を含めた健康増進プログラムには、足把持力や足関節可動性を高めるためのトレーニングが必要であり、注意力を高めるための認知トレーニングや環境整備が有用であることを示唆する。
引用元: 在宅障害高齢者の注意と転倒との関連.村田伸・津田彰他
つまり、”脳トレ”の様な脳の前頭葉を刺激するトレーニングを継続して行うことで、注意機能を高めることも可能であるようです。
ドングリマツリでは、”脳トレ”は複数の種目がありますがその中でも特に「間違い探し」や「数字記憶」は全体の中から必要な情報を選択したり、複数の数字を同時に覚えておく分配性も必要となり活性化されるのではないでしょうか!
ぜひ合間に挑戦してみて下さい(^-^)
まとめ
今回は、「注意機能」についてもう少し掘り下げて見ていきながら、「注意機能を鍛えることで良いことはあるの?」についても考えていきました。
注意機能というのは、日常生活において情報入力・出力においてとても大切な能力であるという事が理解していただけたかと思います。
どんな人でも、睡眠不足やアルコールや疲労によって「注意機能」が一時的に低下することはあります。
高齢者の場合は、脳の萎縮によりそれが進行していきやすくなるのです。
その中でも、特に注意機能の「選択性」と「分配性」の能力が低下しやすいようです。
それは、転倒・転落や怪我のリスクにもつながりやすいので気をつける必要があります。
日常生活では、個々その人の能力に合わせて作業課題の難易度を下げてあげたり(ながら作業ではなく、1つの事だけ専念してやってもらう)、環境を整えること(足元の物を整理してつまづかないようにする)は有効であると思います。
また、脳トレも有効性が示唆されておりますので、もし宜しければドングリマツリの脳トレ動画もチェックしていただければ幸いです(^-^)
ここまで、長々と読んで下さりありがとうございましたm(__)m
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