脳トレは本当に効果があるのか?
いつもドングリマツリの脳トレ動画を観て下さってありがとうございます。
YOUTUBE動画では、色々なジャンルのものを現在も作成中であります。
今までのアップしているジャンルをここでご紹介させていただきます。
①漢字クイズ(野菜編:レベル1~5、まとめ )
②計算問題(1桁問題、まぜまぜ、虫食い)
③数字記憶(7種類)
④言葉の並び替え(冬シリーズ:3種類)
⑤間違い探し(2種類)
現時点での脳トレ総数:23種類
これからも、種類を増やしていきたいと思っておりますので宜しくお願いいたします。
ところで、
「脳トレって本当に効果があるのかな?」
と、疑問に思われる方はいらっしゃいませんか?
また、もし仮に効果があったとしても
「なんで効果があるの?」
と、疑問に思われる方はいらっしゃいませんか?
今回は、そのような疑問に対して「脳トレは本当に効果があるのか?」という事をテーマに記事にして考えてみたいと思います。
また、以前の記事の「脳トレはじめました」も関連しておりますので合わせて読んでいただければと思います。
【目次】
脳トレについて
脳トレとは一体何でしょうか?
まず言葉の意味ですが、
脳トレとは、「能力トレーニング」の略。
引用元:デジタル大辞泉.小学館
同じように、”認知”というのもよく使われますが
こちらの言葉の意味は、
認知とは、「心理学で、知識を得る働き、すなわち知覚・記憶・推論・問題解決などの知的活動を総称する。」
引用元:デジタル大辞泉.小学館
つまり、”認知機能が低下しています”というのは、すなわち「知的活動の能力が低下しています」と言い変えることができます
今回の脳トレという言葉を「認知トレーニング」と言い換えてみていきたいと思います。
認知トレーニングとは、構造化された認知的な課題(トレーニング)を繰り返し実施し、認知機能の維持・向上を目指す介入のことをさします。
引用元:脳トレゲームは認知機能を向上させることができるのか?野内類・川島隆太.2014
<様々な認知トレーニングの内容>
●記憶トレーニング:効果的な情報を覚える方法を使えるように訓練する
●処理速度トレーニング:情報をできるだけ早く処理・操作できるように訓練する
●作業記憶トレーニング:ある情報を覚えながら、別の作業を行えるように訓練する
●推論トレーニング:物事の関係や因果を正確に考えることができるように訓練する
認知トレーニングはジャンルとしては4種類です
それをより簡便で効果的な高齢者向けの認知トレーニングとして開発されたのが、”学習療法”になります(2004年頃)
この内容としては、「音読」と「計算」のトレーニングです
脳の活性化とはどんな現象なのか
脳の活性化とは、
すなわち、「脳の血流量(または血液量)の増加」です。
その活性化される領域としては、
fMRI(functional magnetic resonance imaging)などの脳機能イメージングを用いた研究は、音読や単純な計算を行うと前頭葉の背外側前頭前野が賦活することを示している。
引用元: 脳トレゲームは認知機能を向上させることができるのか?野内類・川島隆太. 「高次脳機能研究34巻3号」 2014
脳トレを行うことで、脳のこの部分の血流が増えるようです。
ちなみに、この領域は「判断、思考、計画、創造、注意、抑制、コミュニケーションなどの高次脳機能」を司る脳の最高中枢です。
この部分は、作業記憶(ワーキングメモリー)に関連しています。
その為、トレーニングでこの部分の血流量が増えることで、作業記憶トレーニングと同じような効果が得られるのではないかということなのです。
ちなみに、
作業記憶とは、情報を一時的に保ちながら操作するための構造や過程を指す構成概念。
引用元:Wikipedia
作業記憶とは、目で見たこと・耳で聞いた事を短い時間で情報を保持し、それを元に集中しながらそれらの情報をうまく組み合わせたり関連付けたりして適切に処理を行う事です
脳トレは効果があるのか
脳トレの効果については、
健康な高齢者、認知症の高齢者に対して様々な研究が行われておりますが
一定の効果は、認められています。
その効果については、2017年に調査された研究結果があり以下のようにまとめられます。
<知的活動との関連>
引用元:認知症予防についての調査研究事業結果報告書.国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター.2017
これは、知的活動と各機能との関連について、”健康な高齢者”と”軽度認知症”の高齢者を対象に認知トレーニングを実施した場合の結果についてを研究したものをまとめたものです。
●両者共に改善がみられた機能
実行機能、全般的認知、言語能力、遅延記憶、その他の記憶※、視空間認知
●健康な高齢者のみに改善がみられた機能
即時記憶、推理能力、作業記憶
●どちらにも改善がみられなかった機能
処理速度、注意力
※その他の記憶の詳細については情報が不足しておりよく分かっておりません。
ちなみに知的活動とは、
認知症ではない65歳以上の中国人1万5582人を対象に、知的活動と認知症発症リスクの関連性を縦断観察研究で検討。知的活動の例は「書籍や新聞、雑誌を読む」、「ボードゲームや麻雀、カードゲームをする」、「競馬」などだった。
引用元: 知的活動参加の高齢者は認知症リスクが低い.m3.com
知的活動とは、頭を使う活動全般をいいます。
脳トレも含めて「知的活動」を行うことは特定の機能の改善に効果があり、それは認知症の発症リスクを下げるだけでなく、認知症の高齢者の方にも効果が認められているようです
難易度はどの程度が良いのか
認知トレーニング中に喚起されるネガティブな感情は、トレーニングによる認知機能の向上を妨害することが指摘されている。
引用元: 脳トレゲームは認知機能を向上させることができるのか?野内類・川島隆太.「高次脳機能研究34巻3号」2014
トレーニングの難易度は、ポジティブな感情が得られるようにその人が楽しく無理なく続けられるような簡単なレベルのものを選択することが良いようです。
音読、計算そのものの効果に加え、熱意のあるスタッフが付き添って励ましながら活動を行うことによる効果が加わっている可能性もある。
引用元:「脳を鍛える」ブームの根底にあるもの.加藤忠史.「教育学研究」2007.06
トレーニングを行う人がポジティブな感情を得られるように、周囲の人がポジティブなサポートを行うことがより効果的なようです。
本人が楽しく自信をもって無理なく続けられるような課題の設定と環境を作ることがポジティブな感情を得ることにつながるかもしれませんね
まとめ
今回は、「脳トレは本当に効果があるのか?」という事をテーマに記事にしてみました。
脳トレ= 認知トレーニングは脳の前頭前野(前頭葉)の血流が増えて、それが特定の脳の機能を改善させる効果があるようです。
また、それは健康な高齢者だけでなく、認知症のある高齢者にも効果がみられています。
トレーニングとしての難易度はその人にとってなるべく簡単なものの方が負担も少なく続けやすいし脳の活性化にもつながるようです。
また、周囲の方が一緒に関わる場合にはポジティブなサポートがより効果的なようです。
ドングリマツリではYOUTUBEで「脳トレ」に関しての動画を発信しておりますが、それは知的活動のきっかけとして活用していただければと思います。
皆さまが興味・関心のある知的活動を行うことが認知症予防や生活の質の向上にも繋がります。
ドングリマツリの脳トレがその一助になれば幸いです。
今回もここまで読んで下さりありがとうございました。
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