今日は何の日でしょうか?
「今日は何月何日ですか?」
皆さんはカレンダーを見ずに正確に答えられるでしょうか?
私はあまり自信がありません笑
特に、仕事が休みの日が続くと段々と「今日は何曜日だったかな?」「あれ何日だっけ?」と時間の感覚がつかみにくくなります。
この時間の感覚というものは、認知症になった場合には失われやすくなります。
認知症の中心的な症状のひとつに「見当識障害」という症状があります。
これは、日時や場所・季節・人間関係などが正しく認識できない状態のことですが、その中でまず最初に“時間”の感覚が低下していきます。
それによって、「今日がいつなのか?」「今が何時なのか?」等が分かりにくくなるのです。
先日、NHKスペシャル「認知症の第一人者が認知症になった」という番組で当事者でもある長谷川先生は”認知症になるとどうなるのか?”について
「確かさが揺らいでいく」
という風に表現されておりました。
自分を形成する感覚の一部が失われていく状態、それが認知症の方の症状の一つになります。
最初の話が長くなりました(;^ω^)
今回は、その様な’時間の見当識障害”のある認知症の方とコミュニケーションをとる時などに使えそうな方法をお話ししたいと思います。
【目次】
リアリティーオリエンテーション(以下:RO)とは
【ROとは】
引用元:リアリティー・オリエンテーション.健康長寿ネット
今は、何月何日なのかとか、季節はいつなのかといった時間や今いる場所等が分からないなどの見当識障害を解消するための訓練で、現実認識を深めることを目的とします。
ROには二種類の方法があるのかあり、一つは24時間ROで、もう一方はクラスルームROです。
【24時間ROとは】
引用元:エビデンスのある認知症の非薬物療法.三村.高次脳機能研究vol32.No3
治療スタッフが入院・入所者に対し、時間と場所を問わず、さまざまな場面で日時や施設名、所在地などの情報を繰り返し教示する方法。
【クラスルームRO】
引用元:エビデンスのある認知症の非薬物療法.三村.高次脳機能研究vol32.No3
決まった時刻と場所に対象者を集め、グループ訓練の形で見当識に関する情報をくり返し教示する方法。
ROを使う時のポイント
24時間RO単独では訓練効果が認められず、クラスルームROを組み合わせることで訓練効果が認められるとする報告が多い。
引用元:エビデンスのある認知症の非薬物療法.三村.高次脳機能研究vol32.No3
1対1の場だけでなく集団の中で組み合わせることが良いようですね
例えば、通いの場で活用するとより効果的なようですね
1対1単独では訓練としての効果は実証されているかは分かりませんが、
時間の不確かさの中にいる方に対して安心感をお届けするという意味では
有効ではないかと思われます
基本となる原理として誤りなし学習errorless learningが挙げられる。
引用元:エビデンスのある認知症の非薬物療法.三村.高次脳機能研究vol32.No3
したがって、学習過程で試行錯誤を生じずに、はじめから正答を呈示していくというものである。
誤りを排除してできるだけ正答のみを呈示することはアルツハイマー型患者にも健忘症候群患者にも共通して有効であった。
基本的に本人に失敗体験をさせないことが大切です!
介護者が配慮して初めから正解を伝えることで本人が安心感を感じることができます
今日は何の日?について
ドングリマツリでは新年明けよりTwitter上で、”今日は何の日?”について各日をそれぞれ1枚のスライド形式でまとめております。
スライドの内容は、その日に起こった出来事とそれに関するクイズ、その日に誕生日の有名人についてです。
認知症の方とご家族で、また職員さんで本人との会話の中で”今日はなんの日?も時間の感覚をもってもらったり、話のネタとして使っていただければ幸いです。
もし、興味がある方はTwitter上で「@dongurimaturi」で検索して頂ければ更新しておりますのでお気軽にお使いください。
まとめ
今回は、認知症の’時間の見当識障害”のある方とコミュニケーションの取り方についてみていきました。
時間感覚が失われてくると、今日の日にちや曜日、今の時間などが分かりにくくなります。
その様な状況では、集団や個別の中で「リアリティー・オリエンテーション」を活用して、今日が何月何日でとか今の時間は何時とか、季節はこうですね~などを会話の中で伝えてあげるのは良いかもしれません。
それによって、本人は時間の感覚をつかみやすくなると思います。
その場合に配慮することは、本人に誤りをさせないという事だと思います。
そうすることで、本人が安心して過ごすことにもつながると思います。
又、その中で話のネタとして「今日はなんの日?」のスライドも使ってもらえればと思います。
今日は何日何曜日なのか分からなくなった時にも、周囲のサポートがあることで本人は安心して過ごすことができます。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。