【認知症クイズ⑤】脳血管性認知症とは?
前回は「レビー小体型型認知症」についての
クイズを出題させていただきました
これで”三大認知症”のうち2つをクイズで出題
させてもらいました
今回は”三大認知症”の最後の1つ
「脳血管性認知症」について
クイズを出題していきます
今回は脳血管性認知症について
クイズ形式で学んでもらえたら
と思います!!
クイズ形式で新しいことを学び
頭の活性化と知識を
深めやすくなると思います(^-^)
「認知症」という病気がより理解しやすくなれる一助になれたらと思います
脳血管性認知症に関するクイズ:5問
次の問題は「脳血管性認知症」に関する問題です
それぞれ適切なものを選んでください
【問題1】
脳血管性認知症の根本的な原因は加齢に伴う「動脈硬化」といわれています。
この中で「動脈硬化」の危険因子に当てはまらないものは次のうちどれでしょうか?
①喫煙
②肥満
③低血圧
【問題2】
脳血管性認知症では脳の部位の「〇〇〇」の血流と代謝が特に低下しています。
その為、注意障害と遂行機能障害が特徴的です。脳のどの部分でしょうか?
①前頭葉
②頭頂葉
③側頭葉
④後頭葉
【問題3】
脳血管性認知症の方は”感情面”についてある特徴があります
それは次のうちどれでしょうか?
①感情そのものの表現が乏しくなる
②感情を抑えたり我慢することが難しくなる
【問題4】
脳血管性認知症では、認知機能の”症状の変化”にはある特徴があります。次のうちどれでしょうか?
①認知機能は進行性に低下する
②認知機能は日や時間帯によって変動がある
③認知機能は低下せずに変わらない
【問題5】
脳血管性認知症の”認知症の内容”はある特徴があります。それは次のうちどれでしょうか?
①認知機能の低下は全般的である
②認知機能の低下はまだらである
③認知機能の低下は一時的である
-
【問題1】
脳血管性認知症の根本的な原因は加齢に伴う「動脈硬化」といわれています。
この中で「動脈硬化」の危険因子に当てはまらないものは次のうちどれでしょうか? -
③低血圧
”動脈硬化”とは「動脈の壁が厚くなったり、硬くなったりして本来の構造が壊れ、働きがわるくなる病変」の総称です。もともと病理学で使う呼び方で、病名ではありません。5つの危険因子として、「高血圧」「高脂血症」「喫煙」「肥満」「糖尿病」があります。
-
【問題2】
脳血管性認知症では脳の部位の「〇〇〇」の血流と代謝が特に低下しています。
その為、注意障害と遂行機能障害が特徴的です。脳のどの部分でしょうか? -
①前頭葉
脳血管性認知症では、前頭葉の血流と代謝が特に低下しているため、その部位の機能低下により「注意障害」や「遂行機能障害」、「アパシー」が症状としてみられやすいです
-
【問題3】
脳血管性認知症の方は”感情面”についてある特徴があります
それは次のうちどれでしょうか? -
②感情を抑えたり我慢することが難しくなる
脳血管性認知症では感情を抑えたり我慢することができず(感情失禁)、例えば場違いの場面で起こったり、笑ったりしてしまったり、ささいなきっかけで泣いてしまう現象があります
-
【問題4】
脳血管性認知症では、認知機能の”症状の変化”にはある特徴があります。次のうちどれでしょうか? -
②認知機能は日や時間帯によって変動がある
脳血管性認知症では、認知機能の変動がしばしばみられます。例えば、生き生きと活力が感じられる時期とぼーっとして受け答えも鈍い時期が、
1日~数日位の周期で繰り返します。この症状の変動の背景には、「覚醒度の変化」があります。
1日のなかで症状が変動することを”日内変動”、日によって変動することを”日差変動”といいます。
-
【問題5】
脳血管性認知症の”認知症の内容”はある特徴があります。それは次のうちどれでしょうか? -
②認知機能の低下はまだらである
血管障害を起こした部分は脳の機能が低下しますが、正常に機能している部分もあるので、脳血管性認知症は「まだら認知症」になりやすいという特徴があります。
脳血管性認知症について
僕たちの頭の中にある「脳」ってどんなもの?
脳の重さは約1200~1400gで体重の「2%」程度しかないんだ。
でも、心臓から出る血液の「15%」が脳を循環しているんだよ(他臓器の約7倍)
それってどういうことになるの?
ということは、脳は大きさに対してとても多くの量の血液を必要としていて
もし、少しでも脳内の循環が悪くなると途端に神経細胞にダメージが出てしまうんだよ
だから、「脳血流」が保たれているのはとても大事なんだよ
「脳血管性認知症」には種類があるの?
血管性認知症の診断基準としてもっとも厳密とされるNINDS-AIREN 基準2)では,血管性認知症を大別し,1)大小の脳梗塞が主に皮質領域を中心に多発するもの(多発梗塞性認知症;Multi infarct dementia(MID)),2)戦略的部位の単発梗塞による認知症(Strategic single infarct dementia),3)小血管性認知症(Small vessel disease with dementia)に分類している
引用元:皮質下血管性認知症;認知症疾患における位置づけ.冨本 秀和.臨床神経 2011;51:940-942
上の分類のように、「多発性梗塞性認知症」「Strategic single infarct dementia」「小血管性認知症」の3種類があるよ
その中で一番多い種類はどれ?
多くは「小血管性認知症」だよ
その中で、”多発性ラクナ梗塞”や”ビンスワンガー型脳血管性認知症”が
約半分(46.6%)とされている研究もあるよ
それってどういうものなの?
脳小血管病は「通常の画像検査で可視化できないような小血管が原因と考えられる脳実質病変」と定義されているよ。また、脳血管病変部位は、「白質病変」や「基底核病変」が主体とされているよ。
おわりに
今回も「認知症クイズ」に
お付き合いくださりありがとうございました(^-^)
今回のクイズの中で「脳の部位の機能」についての問題がありました
脳の機能については過去の記事の中に説明がありますのでそちらも読んで
いただければと思います↓
今後も”認知症”をテーマにクイズを
ご用意していきたいと思いますので
宜しくお願いいたしますm(__)m
【引用・参考文献】
●認知症の正しい理解と包括的医療・ケアのポイント第2版.山口晴保編著.協同医書出版社
●認知症ケア標準テキスト改訂3版認知症ケアの基礎.一般社団日本認知症ケア学会編著.(株)ワールドプランニング
●国立循環器病研究センター循環器病情報サービス.[21] 動脈硬化
●皮質下血管性認知症;認知症疾患における位置づけ.冨本 秀和.臨床神経 2011;51:940-942
●脳小血管病からみた血管性認知症.水田佐久子・水野敏樹.特集「認知症診療・研究のtopics」.2016