レクリエーションの起源

今日の「レクリエーション」がどんな流れを経て、現在に至るのかそのルーツについて本日は追っていきたいと思います。




【目次】

  1. 世界の中でのレクリエーション
  2. 日本の中でのレクリエーション
  3. まとめ





世界の中でのレクリエーション

世界におけるレクリエーションのルーツは大きく以下の3つに捉えることができます。

①学校の休み時間  in チェコ

 今日の学校教育のスタイルを作り上げたと言われているチェコの哲学者コメニウスは、「大教授学」という著書の中で学校の授業の組み立て方を述べた。その著書の中で、授業と授業の間には規則的に休み時間を置いて、授業に疲れた子供達の心身の活動を回復させ、新たな学習意欲を再生(RE-CREATE) させる必要性を説いた。

この著書はヨーロッパ全土で広く読まれた。

引用元:治療の目で見るレクリエーション

②プレイグラウンド運動 in アメリカ

幼稚園の創始者としてドイツの教育思想家のフレーベルは、「遊び」のもつ教育的価値に注目し、「遊びはあらゆる善の源泉である」と説いて子供を遊びの中で育てていくことを理想としていた。そして、彼は子供達が自由に遊んで自ら成長することのできる【子供の楽園=幼稚園】を作った。

1885年シカゴではフレーベルの思想を土台として、お母さんたちの中から「子供達を非行から守るために健康的な遊びの場とプログラムを用意しよう!」という【砂場づくり】運動=プレイグラウンド運動が始まった。

引用元:治療の目で見るレクリエーション

③近代工場で働く人たちの余暇への欲求

産業革命以後、近代工場の労働はそれまでの農業の労働とは大きく異なり、時計に管理され働かされる労働の形態になったため、疲れを癒すための余暇とレクリエーションの確保が求められた。

1924年、国際労働機関(ILO)は各国政府へ勤労者の為のレクリエーションの保証を勧告した。

引用元:治療の目で見るレクリエーション

日本でのレクリエーション

日本でのレクリエーションについては、他の文献を参照させていただきながら年代ごとに解説していきたいと思います。

①戦後から始まるレクリエーション活動:1946年~

1945年8月15日、ポツダム宣言の受諾とともに、戦後の荒廃の中、生きる支えを失い、よりどころと張りのない毎日を細々と生き続けていた。
そのような中、アメリカの占領軍が、「人生を楽しく創造的に」を理念とし、戦争で疲弊した日本各地の町や村に生活の息吹を呼び覚ますために試みたのが、戦後のレクリエーション運動の始まりである。

軍国主義時代の重苦しい雰囲気から解放された人々は、生きる証として、フォークダンスに代表されるアメリカ仕込みの多様なレクリエーション・プログラムに飛びついた。

引用元:https://recreation.or.jp/

②職場レクリエーション:1956年~

日本は高度経済成長期時代へと突入。機械化・合理化が追求される労働環境において、人間としての主体性の喪失という新たな問題が浮上し始めた。そこで、企業がその対策として「明るい人間関係作り」を強調した「職場レクリエーション」であった。

1961年に公布されたスポーツ振興法も手伝って、昼休みともなれば、工場の通路や中庭、空き地、がスポーツ広場に早変わりし、ひと汗かくことが推奨された。昼休みのスポーツ以外にも、社内旅行や運動会、休日を利用したハイキングなどが盛んに催され、急速に広まっていった。

引用元:https://recreation.or.jp/

③健康作りと地域活性化のためのレクリエーション:1973年~

今まで栄華を極めていた職場レクリエーションは、オイルショックによって後退期へと入っていく。そのような中、企業各社では若年層の人間関係づくりに代わる中高年の健康づくりが新たな課題として浮かび上がってきた。

70年代の半ばにさしかかると、職場レクリエーション運動の重点も健康志向との関わりを強めながら「生きがいづくり」を目指す方向にシフトしていく。

引用元:https://recreation.or.jp/

また、レクリエーションは、地域の新たな健康づくりや文化的活 動としても、祭りや郷土芸能などの伝統文化のとのつながりにおいても、まちづくり運動に欠かせないプログラムとして注目を集めるようになっていく。

引用元:https://recreation.or.jp/

④高齢者福祉で認知され始めたレクリエーション活動:1987年~

レクリエーション運動の中で、重要な意味を持つ「社会福祉士及び介護福祉士法」 法律が87年に制定され、介護福祉士養成科目に、「レクリエーション指導法」が位置づけられたことである。
これは、従来の社会福祉事業が上からの一方的な「措置」によるものであったことを根本的に改め、利用者との「契約」によってサービス提供が行われるべきだとする社会福祉構造改革の中で、生活の質を向上させる福祉サービスの一環としてレクリエーションが位置付けられたことを意味する。

引用元:https://recreation.or.jp/

まとめ

レクリエーションについて、世界と日本のそれぞれの起源について振り返ってみました。

世界でのレクリエーションの起源は、学校で職場で遊びを通して 仕事・勉学などの肉体的・精神的疲労をいやし、元気を回復するために休養をとったり娯楽を行ったりすることとしての取り組みでした。それは、世界中に広まりました。

日本の場合は、戦後にアメリカからの輸入されたものでした。しかし、時代を経て社会情勢やニーズの変化と共に独自の路線を辿っていました。医療・福祉の現場では、87年から法律に制定され現在で22年が経過しております。

今では、レクリエーション活動は現場では欠かせない必要不可欠なものとなっております。皆様の健康維持と笑顔と楽しみや充実感の為に、レクリエーション活動は活躍していくことと考えます。


【引用/参考文献・サイト】         

●治療の目で見るレクリエーション 2010年初版
●レクリエーション運動の歴史.公益財団日本レクリエーション協会