認知症は、治る病気ですか?
今回は、世間でも良く耳にする「認知症」について考えてみたいと思います。なぜこんなにこの病気について知られているのか、それは認知症になる人数がとても多いからです。 厚労省が発表した推計によると、2025年には認知症患者数は700万人前後に達し、65歳以上の高齢者の約5人に1人を占める見込みだそうです。 こんなにも高い確率であれば、他人事とは言えなくなってきます。
ここで最初のテーマに戻りますが、認知症とは治る病気なのか?
これに関しては、単刀直入に言えば治る方と治らない方がいます。
【目次】
認知症とはどんな病気?
認知症とは、脳の変性疾患や脳血管障害によって記憶や思考などの認知機能の低下が起こり、6カ月以上にわたって、日常生活に支障をきたしている状態です
引用元: 認知症施策の現状 厚生労働省老健局高齢者支援課認知症・虐待防止対策推進室
頭の中の脳が何らかの原因で侵されてしまったことで、ヒトの記憶したり考えたり判断したりといった機能が低下した事により普段の生活で問題が生じている状態が、6か月以上続いているということです。
つまり、加齢による物忘れや短期間のみでの類似した状態や日常生活に問題がなければ「認知症」とは診断されないのです。
治る人と治らない人の違いとは
治る人の場合は、以下の病気が原因で認知症の症状が出ている場合です。
●正常圧水頭症
●慢性硬膜下血腫
●脳腫瘍
●甲状腺機能低下症
●栄養障害
●薬物やアルコールに関連するもの
この場合には、原因となる上記の病気を治療によって治すことで改善します。
一方、治せない場合はそれ以外になります。今回は、詳細は割愛します。
●アルツハイマー型認知症
●脳血管性認知症
●レビー小体型認知症
●前頭側頭型認知症
この場合には、認知症は治りません。
治る為に必要なこととは
治せる認知症は、 手遅れにならないうちに診断がつきタイミング良く治療すれば治せます。
●正常圧水頭症 ●慢性硬膜下血腫 … 脳外科手術
●甲状腺機能低下 ●薬物性認知症 …原因となる薬物の中止や、減少しているホルモンの補充
この「治せる認知症」は、認知症全体の約1~2割で、医師でも気づきにくい病気です。治療のタイミングを失うと、病状が固定化して治らなくなってしまうので、適切な早期診断が重要です。
治らない場合にはどうしたらよいのか
治らない場合でも、そのまま何も治療しない場合と治療した場合でのその後の症状の悪化の差が歴然となります。
その為、治療を行うことで治せなくともその進行を遅らせることができます。又、時間の経過をみていくと早ければ早いほどその進行のカーブは緩やかになります。治らない場合にも、早期発見・早期治療が大事になります。
さいごに
認知症には、治る場合と治らない場合があります。
どちらの場合にも、早期発見・早期治療がとても大切になります。
私の体験では、なんだか最近忘れっぽくなってきたなぁとか前よりなんとなく変わってきたなぁと感じていた方が、ある日を境に急にガクッと認知症の症状が進んでしまったケースが割とありました。認知症の進行は一定のカーブではないのです。
その為、何だかおかしいなぁと感じたら、かかりつけのお医者さん等に相談してみるとよいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。