【認知症クイズ②】認知症の症状は?




前回は「認知症」についてクイズを10問出題しました


その内容は「認知症と物忘れの違い」「認知症のタイプ」などでした


ドングリ君

今回は、「認知症の症状」についてクイズ形式で学んでもらえたらと思います!




クイズ形式で新しいことを学ぶことで頭の活性化と

知識を深めやすくなると思います(^-^)




「認知症」という病気がより理解しやすくなれる一助になれたらと思います






認知症の症状について


認知症の症状ってなにがあるのでしょうか?


認知症の症状は大きく2種類に分けられるんです

「中核症状(認知症状)」と「周辺症状(行動・心理症状)」です

下の図を見てみてください↓

図:認知症の症状(引用元:「LIFULL.認知症の症状から予防・対応まで」より)


・認知症の診断は、記憶障害と見当識障害、思考・判断・遂行機能などの障害を基になされますが、これらは認知症状といわれ、アルツハイマー病に限らず認知症全般に出現します。

・これに対して、幻覚・妄想などの心理症状と、徘徊(探索)や収集癖などの行動症状を合わせて認知症の行動・心理症状と呼びます。



「中核症状」は、脳のダメージによって生じるので徐々に進行していきます。


「行動・心理症状(以下、周辺症状)」は、認知症状を背景にして生じる不安や混乱をベースに、
周囲との関わりの中で生じます。

なので、BPSDは”中核症状+環境の影響の結果”により起こるもので両者を区別します




今回はこのような「認知症の症状」について

クイズ形式で一緒に考えられたらと思います!




「認知症の症状」についてのクイズ:5問



ドングリ君

次の問題は、認知症の初期にでやすい症状についての記述です。

この症状は、それぞれ「中核症状」と「周辺症状」のどちらでしょうか?



【問題1】
5分前に聞いた話を思い出せないことがある


①中核症状
②周辺症状


【問題2】
貯金の出し入れや、家賃や公共料金の支払いが1人では難しくなった


①中核症状
②周辺症状


【問題3】
興味が薄れ、意欲がなくなり、趣味活動などをやらなくなった


①中核症状
②周辺症状


【問題4】
以前よりも怒りっぽくなったり、疑い深くなっている


①中核症状
②周辺症状


【問題5】
今日が何月何日か分からなくなる


①中核症状
②周辺症状



【問題1】
5分前に聞いた話を思い出せないことがある

①中核症状

これは中核症状の「記憶障害」です
アルツハイマー病では少し前の出来事を忘れるという近時記憶障害が特徴的です
少し前の出来事(近時記憶)を覚えていないのに昔のこと(遠隔記憶)を覚えています

【問題2】
貯金の出し入れや、家賃や公共料金の支払いが1人では難しくなった

①中核症状

これは中核症状の「実行機能障害」です
脳の前頭前野が司る「実行機能障害」により、段取りを立てて計画的な行動をすることは、認知症の早期から障害されます

【問題3】
興味が薄れ、意欲がなくなり、趣味活動などをやらなくなった

②周辺症状

これは周辺症状の「心理症状」です
認知症になり、様々な認知機能が落ちてくると、日常生活に支障が出てきます
できないことが増えるため、気分が落ち込むうつ(抑うつ)状態が見られることがあります
また、自発性や意欲が著しく低下し、無気力で何をする気にもならない状態が続きます 

【問題4】
以前よりも怒りっぽくなったり、疑い深くなっている

②周辺症状

これは周辺症状の「心理症状」です
認知症では、記憶障害に基づいて見当識障害が現れます
そして、場所や時間の見当識障害から、今の状況判断ができずに強い不安に包まれます
この不安が、気分の変動につながりやすくなります

【問題5】
今日が何月何日か分からなくなる

①中核症状

これは中核症状の「見当識障害」です
見当識とは、自分を取り巻く周囲の状態を認識し、自分の置かれた状況を
判断する能力のことです
これは、「時間」「場所」「人物」の3つに分類できます。この場合には、「時間」の見当識低下です





周辺症状(行動・心理症状)は改善できる


・認知症状(中核症状)には脳病変の部位と程度が大きく関与し、性格や病前の知能レベルなどの個人因子や、家族・住居・介護・医療などの環境因子も少ないながら影響を及ぼします。

・行動・心理症状(周辺症状)ではこの関係が逆転し、環境因子が最も大きなウエイトを占めます。

認知症状の改善は困難でも、適切な包括的医療・ケアで行動・心理症状をなくし、その人らしく楽しい生活を送ることが可能になります。


認知症の症状と脳病変の関係では、中核症状では「脳病変」の影響が80%ですが、
周辺症状では「脳病変」と「個人因子」がそれぞれ約20%で残りの約60%は「環境因子」
というデータもあります


周辺症状は環境調整やケアの変更、薬剤調整などで良くすることが可能です!



今回も「認知症クイズ」

お付き合いくださりありがとうございました(^-^)


次回の「認知症」クイズは

”認知症の中の三大認知症について”をそれぞれクイズ形式で

学べるようにご用意したいと思います


【参考・引用文献】

●認知症の正しい理解と包括的医療・ケアのポイント第2版.山口晴保編著.協同医書出版
楽になる認知症ケアのコツ.山口晴保・田中志子編著.技術評論社
●LIFULL.認知症の症状から予防・対応方法まで
●認知症ねっと.認知症によるうつ(抑うつ)状態〜うつ病との違いは?
●みんなの介護.【図解】認知症の周辺症状(BPSD)とは?対応方法も解説
●有料老人ホーム探しっくす.【専門医監修】認知症の周辺症状(BPSD)の種類と対応|認知症のコラム