【認知症クイズ⑨】複雑性注意とは?



前回は認知症の【中核症状】の大枠について

クイズ形式で紹介しました

図:認知症の中核症状




今回はその中で『複雑性注意』について


クイズ形式で考えながら学んでいければ


と思います



クイズ形式で新しいことを学び

脳の活性化と知識を

深めやすくなると思います(^-^)


「認知症」という病気がより

理解しやすくなれる一助になれれば

と思います




今回の記事の目的について

認知症の【中核症状】の中の『複雑性注意』についてクイズ形式で学習する












『複雑性注意』に関するクイズ:6問







次の問題は『複雑性注意』に関する問題です

設問の状態が上の図の「注意機能」のどの機能に
関係するのか適切なものを選んでみてください



≪問題≫

【問題1】
 「新聞や本を読むことに注意を向け続ける」のは注意機能の種類としてはどれ?


 ①注意の持続
 ②注意の選択
 ③注意の分配
 ④処理速度


【問題2】
 「人混みの中で他の物音に邪魔をされることなく知人の話し声に注意を向ける」のは注意機能の種類としてはどれ?


 ①注意の持続
 ②注意の選択
 ③注意の分配
 ④処理速度


【問題3】
 「電話で話を聞きながら同時進行でメモをとるという同時進行で注意を配る」のは注意機能の種類としてはどれ?


 ①注意の持続
 ②注意の選択
 ③注意の分配
 ④処理速度


【問題4】
 「頼まれたことをやり続けるために注意を向け続ける」のは注意機能の種類としてはどれ?


 ①注意の持続
 ②注意の選択
 ③注意の分配
 ④処理速度


【問題5】
 「料理で野菜炒めを作りながらもお味噌汁が煮立たないように、同時進行で注意を配りながら調理を行う」のは注意機能の種類としてはどれ?


 ①注意の持続
 ②注意の選択
 ③注意の分配
 ④処理速度


【問題6】
 「レストランで知人と食事を楽しみながらも店内に流れる音楽に注意を向け聞き入る」のは注意機能の種類としてはどれ?


 ①注意の持続
 ②注意の選択
 ③注意の分配
 ④処理速度



≪解答≫

【問題1】
「新聞や本を読むことに注意を向け続ける」のは注意機能の種類としてはどれ?

①注意の持続

読書をする活動をし続けるためには、読書に注意集中を持続させる必要があります

【問題2】
「人混みの中で他の物音に邪魔をされることなく知人の話し声に注意を向ける」のは注意機能の種類としてはどれ?

②注意の選択

知人の話し声に注意を向けるためには、それ以外の物音などには注意を向けない努力、注意の選択が必要です

【問題3】
「電話で話を聞きながら同時進行でメモをとるという同時進行で注意を配る」のは注意機能の種類としてはどれ?

③注意の分配

電話で話を聞きとりかつその話の内容を理解することに意識を向けながらも、メモ帳に聞き取った事を書いていくことにも注意を配る必要があります

【問題4】
「頼まれたことをやり続けるために注意を向け続ける」のは注意機能の種類としてはどれ?

①注意の持続

頼まれたことをし続けるためには、そのことに注意集中を持続させる必要があります

【問題5】
「料理で野菜炒めを作りながらもお味噌汁が煮立たないように、同時進行で注意を配りながら調理を行う」のは注意機能の種類としてはどれ?

③注意の分配

野菜炒めを作ることに意識を向けながらも、お味噌汁の火加減にも注意を配る必要があります

【問題6】
「レストランで知人と食事を楽しみながらも店内に流れる音楽に注意を向け聞き入る」のは注意機能の種類としてはどれ?

②注意の選択

レストラン内での人や物事の刺激の中で店内の音楽に注意を向けるためには、それ以外の物音などには注意を向けない努力、注意の選択が必要です








『複雑性注意』とは


注意機能とは
注意とは、感覚・記憶・思考情報からの適切な情報の選択過程です。注意の対象は、感覚情報だけでなく、過去の記憶にも注意を向け、さらに感覚情報と記憶情報を組み合わせることによりさまざまな思考が生じていて、それらも注意を向ける対象となります

引用元:総説「注意障害と認知症”山口晴保.認知症ケア研究誌3



図:複雑性注意とは


『複雑性注意』の内容は上の図が含まれます


認知症の人が注意障害でどのような困難を


抱えるかについていくつか例を挙げておきます



●集中せず、落ち着きがない


●作業がすぐ中断し長続きしない


●周囲の声や他者の動きに注意がそれやすい


●ながら作業が難しくなる


●何度も繰り返し言ったり、指示をする必要がある


●ミスが多く効率が上がらない



これらは「認知症」や「軽度認知障害」を


疑わせる症状になるようです



図:車の運転に例えると



車の運転では



●運転に注意集中を持続させる必要があります:持続性注意


●前方の様子を見て、レーンの白線・信号機・標識・対向車・歩行者・自転車・車両感覚などにも注意を配る必要があります:分配性注意


●運転以外のことには注意を向けないという、注意の選択が必要です:選択性注意




このように車の運転には


『複雑性注意』が必要


この機能が認知症では初期から低下するので


認知症になると運転は危険になります





おわりに



今回は認知症の【中核症状】の1つ【複雑性注意】について

クイズ形式でまとめてみました




次回は他の【中核症状】について

クイズ形式でまとめていきたいと思いますので


宜しければお付き合いください



今回も「認知症クイズ」に

お付き合いくださりありがとうございました(^-^)






【参考・引用文献】

●総説「注意障害と認知症”山口晴保.認知症ケア研究誌3.2019
●なぜ認知症のある人とうまくかかわれないのか?石原哲郎著・中央法規
●認知機能とは.認知機能の見える化プロジェクト
●認知機能と注意機能.認知機能の見える化プロジェクト