【認知症クイズ⑭】社会的認知とは?




前回は認知症の【中核症状】の中の『知覚-運動』について

クイズ形式で紹介しました


図:認知症の中核症状



今回は最期になります6つ目の『社会的認知』について



クイズ形式で考えながら学んでいければ



と思います


クイズ形式で新しいことを学び

脳の活性化と知識を

深めやすくなると思います(^-^)


「認知症」という病気がより


理解しやすくなれる一助になれれば


と思います





今回の記事の目的について

認知症の【中核症状】の中の『社会的認知』についてクイズ形式で学習する











『社会的認知』に関するクイズ:3問



図:社会的認知


もし、「社会的認知」が低下した場合にはどのようになるのでしょうか?




それについてクイズを用意してみました


まずこのクイズに挑戦してみて下さい(^-^)↓




次の問題は主に『社会的認知』に関する問題です。設問の選択肢の中から適切なものを選んでみて下さい




≪問題≫

【問題1】

人は『社会的認知』が低下すると「他者の気持ちを知ること」や「状況・場面への理解」についてどのように感じているでしょうか?

①どちらも感じ方は健常な人と変わりない
②「他者の気持ちを知ること」は苦手になるが「状況・場面への理解」は変わりない
③「状況・場面への理解」は苦手になるが「他者の気持ちを知ること」は変わりない
④どちらも苦手になる

【問題2】

認知症になると他者の表情を読み取りにくくなりますが、表情によって読み取りにくくなる度合いには差があります
次のうちもっとも読み取りやすい表情は次のうちどれでしょう?

①喜び
②悲しみ
③怒り

【問題3】

誰かが泣いたり笑ったりすると、自分もつられてしまうことがありますが、それを「情動伝染」といいます
その「情動伝染」は、健常者・軽度認知障害(MCI)の人・認知症の人の中で起こりやすい順番はどれでしょうか?

①健常者>MCIの人>認知症の人
②健常者<MCIの人<認知症の人
③どれも同じくらい




≪解答≫


【問題1】

人は『社会的認知』が低下すると「他者の気持ちを知ること」や「状況・場面への理解」についてどのように感じているでしょうか?

④どちらも苦手になる

「他者の気持ちを知ること」や「状況・場面への理解」が苦手になります。

その為、相手の気持ちをうまく理解できずにコミュニケーションがこじれてしまったり、状況・場面への理解がうまくできずに日常生活でトラブルが起こりやすくなる場合があります。

また、認知症の人の場合には認知の硬さと『社会的認知』の低下があることが多く、相手の心の底にある意図を見抜くことができずに詐欺に引っかかってしまう場合があります。

【問題2】

認知症になると他者の表情を読み取りにくくなりますが、表情によって読み取りにくくなる度合いには差があります
次のうちもっとも読み取りやすい表情は次のうちどれでしょう?

①喜び

若年者・高齢者・認知症の人に基本的な6つの表情「怒り・悲しみ・恐怖・嫌悪・驚き・喜び」をした顔の写真を見せ、どんな表情化を答えてもらう研究があります。
その結果、認知症の人は相手が怒っていた李、悲しんでいた李、恐怖を感じていたりしてもよくわからないものの、嫌悪を感じたり、驚いたり、喜んでいたりするのはほぼわかるとのことです。

特に喜びの表情は認知症の人の「90%」以上の人が読み取れたようです。

【問題3】

誰かが泣いたり笑ったりすると、自分もつられてしまうことがありますが、それを「情動伝染」といいます
その「情動伝染」は、健常者・軽度認知障害(MCI)の人・認知症の人の中で起こりやすい順番はどれでしょうか?

②健常者<MCIの人<認知症の人

「情動伝染」は、健常者よりも軽度認知障害(MCI)の人の方が、MCIの人よりも認知症の人の方が、怒りやすいことがわかっています。明確な理由な分かりませんが、自分で自分を制御しにくくなっている分、相手の影響を受けやすい、同調しやすいと推測されています。

また、「情動伝染」は弱い感情では起こりにくく、強い感情ほど起こりやすいとされています。





『社会的認知』とは



『社会的認知』について2つの文章を引用させていただきます

社会的認知とは…
一般的には、「他者の意図」「傾向」「行動」を知覚し、解釈し、反応を返すという一連の社会的な相互作用の基盤となる認知機能とされています。(Green MF et al:Schizophr Bull,34,1211,2008)

引用元:認知機能の見える化プロジェクト.社会的認知機能


「社会的認知」とは、社会において人と人の絆、相互理解をうまく築くために必要な認知機能のことで「感情の認識(recognition of emotions)」と「心の理論(theory of mind)」の2つが挙げられている。

引用元:社会脳からみた認知症 兆候を見抜き、重症化をくい止める


それを画像にすると以下のような内容になります↓


図:社会的認知



「社会的認知」がうまく保たれていることで

相手の表情や言動や周囲の状況などから推測して

適切な行動をとることができております


それによって、日常生活上で他者とのトラブルを回避して

対人関係を保つことができています


では、その機能が低下するとどうなるのでしょうか?


図:社会的認知機能の低下



認知症になると社会的認知の低下します


それによって


相手の表情や言動や周囲の状況を

うまく読み取ることができずに



結果、周囲からみると不適切で自分勝手な行動を

とってしまうようになります






次に、相手の心をうまくくみ取ることができない例として

『犯人を泳がせる』という言葉をあげてみたいと思います


図:「犯人を泳がせる」とは



これは

本来の意味としては

「決定的な瞬間をとらえるためにわざと犯人を自由に動き回らせる」


という意味です





これを認知症の人に説明してもらうと

「犯人をプールに連れていき泳がせる」

というような説明になります




言葉の意図がつかめずに

表面上の意味だけでとらえるようになります



そのため、


認知症の人は相手の心の底にある意図を見抜くことができずに


特殊詐欺や悪質なリフォームに引っかかりやすくなります





画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 表情認知.png



『表情認知」とは

他者の表情がどんな感情をしているのかを識別する機能です



ある実験では


若年者・高齢者・アルツハイマー型認知症の人に


基本的な6つの表情「怒り・悲しみ・恐怖・嫌悪・驚き・喜び」


を大げさに表した顔の写真を見せて


その表情が何かを答えてもらうものがありました




その結果、


認知症の人は「怒り・悲しみ・恐怖」は


よく分からないけれど


「嫌悪・驚き・喜び」はほぼわかるということでした



特に、喜びの感情については


認知症の人のうち「90%」以上の人が理解できるようです




認知症の人が『社会的認知』の低下でどのような困難を

抱えるかについていくつか例を挙げておきます




●相手の話の比喩やたとえ話が理解しにくくなり、言葉の表面上の意味をそのまま鵜呑みにしてしまう


●ちょっとしたことで怒りっぽかったり、攻撃的になってしまう


●周りの人に対して配慮のせずに自分勝手な行動をとってしまう


●社会的に不適切な行動をしてしまう事がある(例:万引き・無賃乗車)






などのような様子が見られるようになります





図:表情認知について



先ほどの


「表情認知」については


喜怒哀楽の表情のうち


特に「喜び」が9割の認知症の人が理解できたとあります




「喜び」=『笑顔』



ということで


『笑顔』で認知症の人と接するという事は

とても大切なんですね




また

「情動伝染」についても少しご説明します

図:情動伝染について


「情動伝染」とは


誰かが泣いていると悲しい気もいtになり泣いたり


誰かが笑っていると自分もつられて笑ったり


刺激に巻き込まれて周囲も同じ気持ちになるということです





特に

この「情動伝染」は

健常者<MCI<認知症



というように


認知症の人が一番影響を受けやすいようです



認知症の人は、


自分だけで楽しい気持ちになることが難しくなります



そのためこの「情動伝染」を利用することで


認知症の人を楽しい気持ちにさせることができます(・∀・)






おわりに



今回は認知症の【中核症状】の1つ『社会的認知』について

クイズ形式でまとめてみました




【中核症状】については今回のもので最後となります



今回も「認知症クイズ」に

お付き合いくださりありがとうございました(^-^)




【参考・引用文献】

●認知症の人の心の中はどうなっているのか?佐藤眞一.光文社
●社会脳からみた認知症 兆候を見抜き、重症化をくい止める.伊古田俊夫.講談社