【介護保険】介護保険のサービスは65歳未満では受けられないの?
今回はテーマは65歳未満でも介護保険は受けられるのか?というお話です。
通常、介護保険を利用される方は65歳以上の高齢者というイメージを持たれていらっしゃるかと思います。
ですが、単刀直入に言いますと
条件に当てはまれば対象となります。
その条件について、次から確認していきたいと思います。
【目次】
年齢は何歳から?
対象は、40歳以上で介護保険被保険者となります。
介護保険被保険者ってどんな人なのかしら?
●介護保険の被保険者は、65 歳以上の方(第1号被保険者)と40 歳から 64 歳までの医療保険加入者(第2号被保険者)に分けられます。
引用元:介護保険制度について.厚生労働省,介護保険の被保険者とは.健康長寿ネット
● 第1号被保険者は原則すべての人に、第2号被保険者は要介護・要支援認定を受けた人と、被保険者証の交付を申請した人に交付することになっています。
もし、介護保険料を払っていないとどうなるのかしら?
滞納した場合、第1号被保険者は滞納期間により、いったん自分でサービス料を全額負担しなくてはならなかったり、サービス量の制限を受けたり、自己負担割合が高くなったりします。
引用元: ポケット介護 見てわかる介護保険&サービス
第2号被保険者の場合は、医療保険料を払っていないと介護保険料も払っていないことになります(医療保険料と一体的に徴収されるので)。
介護サービスを受けようとすると、支払っていない期間に応じて、自己負担割合が3割になったり、いったん全額自己負担になったりします(後日9割から7割が戻ります)。また滞納分の保険料の支払いも求められます。
介護保険料を滞納されていると介護サービスを受ける際に
不具合が生じます。ので、保険料の支払いが困難な場合は、我々に相談に来てくださいね
どんな病気だと当てはまる?
要介護(要支援)状態が、老化に起因する疾病(特定疾病) による場合に限定。
引用元: 介護保険制度について.厚生労働省
特定疾病ってどんな病気なのかしら?
特定疾病とは、心身の病的加齢現象との医学的関係があると考えられる疾病であって次のいずれの要件をも満たすものについて総合的に勘案し、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因し要介護状態の原因である心身の障害を生じさせると認められる疾病である。
引用元: 特定疾病の選定基準の考え方.厚生労働省
1) 65歳以上の高齢者に多く発生しているが、40歳以上65歳未満の年齢層においても発生が認められる等、罹患率や有病率(類似の指標を含む。)等について加齢との関係が認められる疾病であって、その医学的概念を明確に定義できるもの。
2) 3~6ヶ月以上継続して要介護状態又は要支援状態となる割合が高いと考えられる疾病。
ということなので、老化に起因する疾病以外では対象とはなりません。
例えば、交通事故を受けて
●手足の骨を骨折しました
●脊髄損傷となり車椅子を使うことになりました
●頭を打って脳卒中になりました
ということでは、全て当てはまらないのです
あくまでも老化が原因となるような特定の病気だけに限定しています
そうだったのね
よく分かりました(^-^)
16の病気とは?
特定疾病一覧
①末期がん
② 関節リウマチ
③ 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
④ 後縦靱帯骨化症
⑤ 骨折を伴う骨粗鬆症
⑥ 初老期における認知症
⑦ 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
⑧ 脊髄小脳変性症
⑨ 脊柱管狭窄症
⑩ 早老症
⑪ 多系統萎縮症
⑫ 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
⑬ 脳血管疾患
⑭ 閉塞性動脈硬化症
⑮ 慢性閉塞性肺疾患
⑯ 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
では、次からは私と共に各病気について確認していきたいと思います(^-^)
16の病気は具体的にはどんな病気?
①末期がん
体の特定の部位に「悪性新生物」があると診断され、かつ、治癒を目的とした治療に反応せず、進行性かつ治癒困難な状態(概ね余命が6月間程度)にあるもの
② 関節リウマチ
自己免疫疾患。最初は両方の手や足の指の関節が対称的に腫れて、とくに朝にこわばるようになります。また、人によっては膝関節や股関節など大きな関節にも病変が進み、水が溜まり、動きにくくなり、痛みのために日常生活に困難をおぼえるようになります。
③ 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉がだんだんやせて力がなくなっていく病気です。これは、筋肉そのものの病気ではなく、筋肉を動かしてコントロールする運動をつかさどる神経(運動ニューロン)だけが障害をうけます。その結果、脳から「手足を動かせ」という命令が伝わらなくなることにより、力が弱くなり、筋肉がやせていきます。
④ 後縦靱帯骨化症
背骨を構成している椎体骨の後縁を上下に連結し、背骨の中を縦に走る「後縦靭帯」が骨になった結果、脊髄の入っている脊柱管が狭くなり、脊髄や脊髄から分枝する神経根が押されて、感覚障害や運動障害等の神経症状を引き起こす病気です。
⑤ 骨折を伴う骨粗鬆症
骨の量(骨量)が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。圧倒的に女性、特に閉経後の女性に多くみられます。
⑥ 初老期における認知症
アルツハイマー病、脳血管性認知症、レビー小体型認知症などです。
⑦ 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
臨床的に、これら三疾患には「パーキンソン症状」が共通に認められる。すなわち、筋肉のこわばり(筋肉が硬くなる)、ふるえ(体が何もしていなくても揺れる)、動作緩慢(動きが硬くなり動きにくくなる)、突進現象(動作のブレーキが利きにくくなる。バランスをとりにくくなる)などのうちのいくつかを認めるものです。
⑧ 脊髄小脳変性症
歩行時のふらつきや、手のふるえ、ろれつが回らない等を症状とする神経の病気です。体を動かすことは出来るのに、うまくコントロールして動かすことが出来ないという症状です。
⑨ 脊柱管狭窄症
背骨の中を通る脊髄からの神経の通り道を「脊柱管」といいます。脊柱管狭窄とは、この脊柱管を構成する骨や靱帯の肥厚、椎間板の突出などで脊柱管が圧迫を受け狭くなる病気のことを言います。首や腰に起こります。おもな症状は、歩行時や立っているときにお尻から足にかけての痛みやしびれです。
⑩ 早老症
老化の徴候が実際の年齢よりも早く、全身にわたってみられる疾患の総称です。約10の疾患が含まれていますが、日本人には圧倒的にウェルナー症候群が多いです(6割が日本人)。疾患や患者本人の状況により、老化の症状が進む早さには違いがあります。
⑪ 多系統萎縮症
パーキンソン病に似て、表情に乏しく、筋肉がかたくこわばり、動作が遅く、緩慢になります。また、話しにくくなり、起立・歩行も不安定となり、転びやすくなります。立ちくらみや、おトイレの排出が困難になり便秘になるといった自律神経症状や、小脳の病変によるふらつきや話しにくさもみられます。明らかな知能の障害はほとんどありません。パーキンソン病とそっくりな症状ですが、パーキンソン病の薬の効果が悪く、ADL障害の進行が早い場合には、この病気を疑います。
自律神経症状が強いものを「シャイ・ドレーガー症候群」、パーキンソン症状が強いものを「線条体黒質変性症」、小脳症状が強いものを「オリーブ橋小脳萎縮症」と分類されます。
⑫ 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
「糖尿病」に起因するもので、腎機能障害や足のしびれや痛み、視力の低下がみられます。
⑬ 脳血管疾患(外傷性を除く)
脳の血管のトラブルによって、脳細胞が破壊される病気の総称です。おもな脳血管疾患には血管が破れて出血するものと血管内の血が詰まって起こるものという2つのタイプがあります。
⑭ 閉塞性動脈硬化症
足の動脈の壁に「コレステロール」という油分がたまり、動脈がつまってきて硬くなり足への血の巡りが悪くなる病気です。
⑮ 慢性閉塞性肺疾患
タバコの煙を主とする有害物質を長期に吸い続けることで生じた肺の炎症性疾患であり、喫煙習慣を背景に中高年に発症する生活習慣病です。
⑯ 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
関節周囲の痛み、腫れ、引っかかり感、違和感などがあります。
以上、16の病気を見ていきましたが、中枢神経(脳・脊髄)・末梢神経・呼吸器・循環器・骨や靭帯など多岐に渡ります
終わりに
今回は 65歳未満でも介護保険は受けられるのか?というお話でした。
まとめますと、40~64歳の方であっても介護保険被保険者でかつ特定疾病に当てはまる対象者であり、要介護・要支援の認定が下りれば介護保険のサービスを利用できます。
特定疾病の中には、自覚症状に乏しく中々自分だけでは気がつきにくいものもあります。
その為、普段から定期的に健康診断をすることがとても大切であると感じます。
皆さま、ぜひ日頃から体のメンテナンスをチェックしてみて下さい。
今回も、長々とお読みいただきありがとうございましたm(__)m
【参考・引用文献】
●ポケット介護 見てわかる介護保険&サービス
●介護保険制度について.厚生労働省
●介護保険の被保険者とは.健康長寿ネット
●日本整形外科学会
●難病情報センター
●教えてドクター!腰・首・ひざの病気
●全国健康保険協会
●一般社団法人 日本呼吸器学会